参考書などを見て自分なりに頑張りましたが限界です…。

SEOの書籍やネット上の情報を参考にご自身でSEOをされていたのですが、アクセスがほとんど増えず「限界です」と相続専門の司法書士事務所からご依頼を受けました。

ネットからの受注はほとんど無く、銀行などの下請けの案件で凌いでいる状況でした。

Elementorによる表示スピードとhtmlエラーの問題

最大の問題は、ページの表示スピードが極端に遅いことでした。ページの表示スピードはページスピードインサイトで確認出来ます。表示スピードが遅いページは、Googleの検索結果に表示されてもページが表示される前にユーザーが「戻る」ボタンを押してしまうので、検索結果の上位に表示してもほぼ無意味になるので、上位に表示されることはありません。

また、htmlエラーも大量に出ていて、あまり良い状態ではありませんでした。

この問題の原因は、Elementorによるものでした。

Elementorはページのレイアウトやデザインを感覚的に出来るプラグインですが、便利な機能の副作用として表示スピードが極端に遅くなることが最大の問題なのです。

Elementorを無効化して表示スピードとhtmlエラーを改善

Elementorを無効化することで、表示スピードもhtmlエラーも大幅に改善できました。「Elementorが原因で速度が出ないのは、Elementorを導入してから知りました(JimdoからWordPressへ移行したときに業者へお願いしたのですが、その際Elmentorの導入を勧められ、よく調べずに二つ返事で了解してしまったことを後悔しています)。」とのことで、ホームページ制作会社がElementorを勧めたようです。クライアントの集客やお問合せの獲得よりも、ページデザインを優先した結果がこれです。

誘導ページの削除

自ら作成された、短文で集客したいキーワードが記載されたページからのリンクがあり、誘導ページと判断されるページがありましたので、削除しました。

このような施策は、ユーザーのためでは無く、Googleからの集客を目的にしたページで、検索エンジンが無ければ作成されないページです。

ユーザーのためになるページは大丈夫ですが、Googleのために作成したページは評価を落とすだけです。

不自然なリンクの否認

SEOを行う中で過去にリンクの購入や自動登録リンク集への登録などはされていなかったのですが、意図しない低品質なリンクがかなりありました。

リンク先の情報と関連の高いページからのリンクはランキングに大きくプラスになりますが、大量の発リンクのあるリンク集のようなページはランキングに悪影響があります。

また、相続のサイトに海外からリンクが設置されると言うのは、本来なら有り得ないことです。このようなリンクはGoogleによって無効化されている可能性もありますが、どのようなに評価されているのかを調べる方法が無いので、リンク否認しました。

h1タグの隠しテキスト

h1タグはヘッダーロゴとテキストで記載されていましたが、テキストが隠しテキスト、隠しリンクになっていました。GoogleはGooglebotに見せる情報とユーザーに見せる情報を同じにするようにと言っています。

隠しテキストは、ランキングを操作する目的で、キーワードを記載するもので、検索エンジンを欺く目的と判断されますので、ランキングに悪影響が出ます。

隠しテキストを修正して、ブラウザに表示するようにしました。

キーワードの乱用を修正

トップページ内に不自然にキーワードを繰り返す記載があり、キーワードの乱用と判断される可能性がありましたので、キーワード詰め込みスパムに該当する可能性のある部分は「〃」に変更しました。

ユーザー本位の情報に修正

サイト全体がユーザー目線では無く、専門家目線のページでユーザーの疑問や質問に対する回答としては不十分でしたので、修正しました。

「トップページに掲載するコンテンツについて、相続と言うのは人生の中でそう何回も経験するものではありません。

実際に、相続に直面すると、まず相続が完了するまで、どんなプロセスがあって、誰に相談すれば良いのか分からないのが一般的なのではないかと思います。

まず、相続が完了するまでのプロセスとそれぞれの段階での専門家が誰なのかを分かるようにしてあげることがユーザーに対して親切なホームページになると思います。

特殊な例は別として、一般的な相続のプロセスとして
相続財産の確定(評価額の算出)
相続人の確定(相続割合)
分割協議
分割協議で紛争が起こっている場合
相続税の確定(節税のアドバイス)
相続した不動産の登記
など、出来るだけ詳細なプロセスとそれぞれのプロセスでの専門家が分かる情報と、なぜ司法書士に相談するのが良いのかが分かる情報が必要だと思います。専門家が税理士や弁護士の場合は連携先があること(ページ内に記載はありますが)をプロセスの中で記載すれば良いと思います。

この情報は、相続が発生している人にとっては一番最初に知りたい情報だと思いますので、出来るだけページの最初の方に記載された方が良いと思います。」

とアドバイスを行い、トップページの記載内容を修正しました。

重複コンテンツをnoindexに

トップページと全く同じページが別のURLで存在していたので、noindexにしました。

大量に重複コンテンツがあるサイトはGoogleから低評価を受けるので、重複コンテンツは出来るだけGoogleに見せないようにすることが重要です。

専門家にとっては当たり前でも一般人にとっては新鮮な情報を掲載する

相続を専門に行っている人にとっては当たり前なことでも、相続について全く無知な人にとっては、新鮮な驚きがあることがとても多いものです。

プロの立場では「こんなこと」と思うようなことでも丁寧に記載することで、ユーザーの疑問に対する回答になることを説明して、コンテンツの記載をしてもらいました。

相続が発生したユーザーが疑問に感じることをキーワードとしてご連絡して、記事を執筆して頂き、完成した記事を読んで、追記が必要な情報をご連絡してリライトして頂きました。

ナビゲーションのリンク先の最適化

アンカーテキストは別々ですが、ほとんど同じ内容のページへリンクされているブロックがありました。リンクはアンカーテキストから、ユーザーがある程度想像出来るコンテンツへのリンクを設置することがユーザーファーストで、見せたい情報へリンクすることはユーザー本位ではありません。

残すリンクと削除するリンクの判断をして整理しました。

無料相談のページのフォーム落ちの修正

無料相談のページまで到達したユーザーは必要事項を記載して送信するだけです。

このページまで到達したユーザーの他のページへのリンクを見せることは別のページの遷移を誘っているようなものです。

無料相談ページに表示されていたナビゲーションなどの他のページへのリンクを削除しました。

依頼者との信頼関係を築く情報の掲載

「無料相談に来られた方が、新しく追加記載した「遺産分割協議の心構え」のページをプリントして持参されて「ここに書いてあることはまさに自分の今置かれている状況と同じことで感激した」とおっしゃっていました。私もとてもうれしかったです。」

相続が発生して不安を抱えているユーザーは、「きっと大丈夫ですよ」「辛い体験をされましたね」といった励ましや同意を求めているのではないかと想像します。
困っている相談者の話を不遜な態度で聞き、適当に答えるような専門家を誰が信頼できるでしょうか。

法律の専門家と言うのは、法律で割り切って冷たいものではないかと一般の人は思いがちなので、このようなユーザーに寄り添うコンテンツは相談を躊躇しているユーザーにとってとても良いコンテンツになると思います。

遺産分割でトラブルになっている人は、身内が争うことをとても恥ずかしく情けないことで、「こんなことを人に相談できない」と思っている人も多いのではないかと想像します。
そして、そのようなことで悩んでいる人は、自分と同じようなトラブルの経験談が無いかネットで探していると思います。

そして、ネットで自分と近いトラブルで悩んでいる事案を見ると少しホッとするでしょう。そこで見かけた事案を掲載しているサイトが司法書士さんのサイトだったら、この司法書士さんに相談してみようとなると思います。

ユーザーの立場を考えて、ユーザーに寄り添った情報を出来る限り掲載するようにしました。

サイト内のコンテンツはかなりリライトして、ユーザーの疑問に対する回答になるように修正して、Googleからの評価を高めるようにしました。

クロール済み-インデックス未登録のリライト

Search consoleの「ページ」→「未登録」→「クロール済み-インデックス未登録」の中には、feedやatomのような放置しても良いページもありますが、インデックスすべきページが記載されている場合は、Googleが低品質なコンテンツと判断して、インデックスしていないページと考えて良いものです。

このページを放置すると、サイト全体を低品質と判断しますので、リライトして価値を高めないといけません。

リライト可能なページの情報をユーザーの検索意図に合った内容に修正して頂きました。

ユーザーに寄り添うことを明記する

一般的に、特に法律の専門家(司法書士や弁護士)と聞いただけけで、四角四面で融通が利かず、怖く冷たく依頼者に寄り添った対応をしてもらえないと感じるユーザーは多く、法律上対応出来ないことがあっても、ユーザーに共感してくれる人間味のある暖かい専門家に依頼したいと願っていると思います。

コミュニケーション能力が高く、普通の人の感覚を持っている相続の専門家であることを明確に掲載することで、依頼を検討しているユーザーは安心して依頼することが出来ます。

Googleからの流入数の変化

まとめ

非常に多くの問題があり、一つ一つ修正して、現在では1ヶ月に50件以上のお問合せや無料相談を獲得しています。

テクニカルSEOの問題が非常に多くあり、特に被リンクの問題は、修正してから、アクセスの改善には時間を要するものでしたので、実際にかなりの時間を要しました。

また、コンテンツもユーザー目線では無く、法律家の立場からの説明になっていたので、リライトしました。

安定したお問合せも獲得出来るようになったので、ホームページのリニューアルも行い、現在も改善を継続しています。

相続

Posted by 清水 康次