司法書士が独立後に仕事がないと言われる理由と対策
司法書士の資格を取得し、試験に合格した後、「独立して事務所を開業したが仕事がない」と悩む人は少なくありません。本記事では、司法書士として独立後に直面しやすい「仕事がない」という問題について、その原因や対策、今後の展望について詳しく解説します。これから独立を目指す人はもちろん、あるいは既に独立していて集客に悩みを抱えているという人は、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

目次
司法書士の仕事内容と業務範囲の概要
司法書士の主な業務には、不動産登記や商業登記、相続手続き、裁判書類作成、成年後見制度のサポート等があります。法律に関係する幅広い分野に対応するため、高い専門知識と丁寧な対応が求められます。
また、近年では簡易裁判所での代理業務や遺言書の作成支援、契約書のチェックなども増え、司法書士の業務は多様化しています。とはいえ、士業全体で見ると弁護士や税理士と比較して認知度が低く、仕事内容がわかりにくいといった声も多く聞かれます。
独立後に仕事がないと言われる理由
司法書士として独立したのに仕事がない状況というのは、何か原因があるのでしょうか。以下、考えられる主な理由を紹介します。
最大の原因:地域の人が事務所の存在を知らない
司法書士が独立した直後にぶつかる代表的な壁は、「そもそも事務所の存在を知られていない」という問題です。
どれだけ実務経験が豊富でも、知識や技術が優れていても、地域の人があなたの存在を知らなければ、相談も依頼も発生しません。
司法書士業務は“必要になった時に検索される業種”
司法書士は日常的に利用するサービスではなく、人が困ったとき・手続きが必要になったときに初めて探される業種です。
例えば、
- 相続が発生した(相続登記・遺産承継)
- 家を買った(抵当権設定・抹消)
- 会社を設立する(商業登記)
- 成年後見制度を利用したい
- 相続放棄をしたい
など、「必要性が生じた瞬間」に検索される傾向があります。
その瞬間に「候補の中に入れてもらえない」と依頼はゼロ
検索や紹介で候補に上がるのは、以下のような司法書士です:
- ホームページを持っている
- 地名+専門キーワードで検索に出てくる
- ブログや解説記事で専門性を見せている
- SNSや口コミで存在を認知されている
- 地元の士業や不動産業者に挨拶を済ませている
逆に、ホームページもなく、名前も見つからず、地域の業者からも知られていなければ――「相談してみよう」以前に、存在そのものが候補に入らないのです。
すぐ依頼が来る事務所との違い
| 仕事が来ない事務所 | 仕事が来る事務所 |
|---|---|
| 事務所の存在が知られていない | 様々な場所で認知されている |
| 待っていれば依頼が来ると思っている | 積極的に情報発信・営業 |
| 料金やサービス内容を表に出さない | 依頼する理由が明確 |
| ホームページなし or 名刺程度 | Webで信頼と専門性を見せている |
| 地域の士業、不動産業者とのつながりがない | 連携ネットワークを持っている |
仕事が来る事務所は、実力があるというよりも、
「専門家として発見される土台づくりができている」のが特徴です。
営業力・マーケティング不足
司法書士として高い能力や専門知識を持っていても、独立後は「営業力」や「集客力」がなければ仕事は得られません。これは多くの合格者が事務処理能力を重視し、顧客獲得のための営業活動を軽視してしまう傾向があるためです。
人脈・顧客基盤の不足
勤務時代に人脈を築くことなく独立した場合、最初の顧客を見つけることが難しくなります。司法書士は「紹介」による依頼が多く、信頼関係が構築されていない状態では依頼者も不安を抱えやすくなります。
業務の偏りと競争激化
不動産登記や商業登記といった主な業務の件数が年々減少している一方で、同業者は増え続けています。全国の司法書士会に登録している人数も年々増加傾向にあり、競争は激化しています。
司法書士が抱える現在の課題
高齢化と人口減少の影響
日本全体の人口が減少し、高齢化が進む中で、相続や成年後見のニーズは増えつつありますが、不動産の売買や企業の新規設立は減っており、登記関連の案件数は減少傾向にあります。
AIやオンラインサービスの普及
AIやwebベースの申請システムの登場により、一部の登記や書類作成業務は自動化が進み、士業の「仕事の奪い合い」が始まっています。これは特に若手の司法書士にとって大きなリスクとなります。
他士業との業務競合
行政書士や弁護士との業務範囲が重なるケースも多く、依頼者の判断によっては司法書士に依頼されないことも増えています。適切な差別化戦略がなければ、仕事を獲得するのは難しいでしょう。
独立後に成功するための具体的対策
■① 営業・集客で成功するための具体策
1. 勝てる分野に特化したSEOサイトを構築する
司法書士は横並びになりやすいため、SEO戦略は差別化に必須です。
狙うべきなのは「誰も攻めていないニッチ × 検索意図の明確なキーワード」。
例:高い成約率のテーマ
- 相続登記 地域名(王道)
- 預貯金の相続手続き 地域名
- 遺産分割協議書 作成 相談
- 相続放棄 不動産 名義変更
- 空き家問題 × 相続(空き家所有者は高確率で相続問題を抱える)
具体施策
- WordPressで専門特化サイトを複数作成(相続・相続放棄・不動産登記など)。
- 各ページに「事例」「料金」「相談の流れ」「ビフォーアフター」「地域名と地図」を必ず掲載。
- GA4+サーチコンソールで検索クエリを可視化し、毎月記事を改善。
2. 異業種との連携を徹底する
司法書士は「紹介」で業績が大きく変わります。
特に組むべき業種
- 不動産会社(家が動けば必ず相続・登記が発生)
- 葬儀社(相続手続きのニーズが最も高い)
- 税理士(相続税が絡む案件)
- 弁護士(争族案件でパートナーに)
- 行政書士(遺言・自動車関連などで相互紹介)
具体施策
- 不動産会社へ「相続空き家・相続登記の無料ミニセミナー」を開催し、担当者に役立つデータを提供。
- 葬儀社には「死後の手続き一覧」「銀行の相続手続きフロー」などの冊子を作って配布。
- FP向けの「相続手続きでよくある落とし穴セミナー」を低価格で開催し、関係構築。
3. 地域に密着した“リアル集客”を強化
案外これが最強です。
実際に効果が高い施策
- 相続・空き家セミナー(市民センター、自治会館、公民館)
- 地域の高齢者サロンで無料相談
- 地元フリーペーパーに小広告を出す
- 包括支援センター・ケアマネージャーとの関係づくり
特に「空き家・相続」の地域課題と結びつけると高い反応が得られます。
■② 専門分野を選び、強みを明確にする
司法書士は幅広い業務ができますが、独立直後にやるべきは**“専門特化の旗を立てる”** ことです。
人気・利益率が高い分野
- 相続手続き(預金・有価証券・保険・不動産)
- 相続放棄専門
- 遺言書サポート
- 空き家 × 相続問題
- 不動産登記 × 売買 × 離婚 × 贈与
- 企業法務(商業登記)
- 後見業務
中でも相続・相続放棄・空き家は安定集客しやすい分野です。
■③ 業務効率化(利益率を改善する重要施策)
1. 業務の標準化
- 相続登記のヒアリングシート
- 必要書類チェックリスト
- 事前メールテンプレート
- 料金表の明文化
- 業務フローの自動化(Notion・Google Workspace)
2. ITツールの導入
- ChatGPTで書類作成の下書き
- 電子契約(クラウドサイン)
- 勤怠・案件管理(kintone, freeeなど)
3. 補助金の活用
- 小規模事業者持続化補助金(HP作成やチラシ作成に活用可能)
- IT導入補助金(業務システム導入)
■④ 地域戦略(特に地方で成功するために重要)
あなたの関心領域と一致しますが、地方では以下が圧倒的に効きます。
1. 空き家 × 相続 の課題解決で圧倒的存在に
地方は相続登記義務化の影響で相談爆増。
空き家所有者は“複合的な問題”を抱えています。
狙うべきテーマ
- 相続登記の期限問題
- 特定空き家のリスク
- 空き家の活用相談(売却・賃貸・解体・利活用)
- 共有名義 × 相続 × 放置
これらを「地域課題の専門家」として発信すると、自治体・住民双方から信頼を得られます。
2. 地域の自治会・公民館での講座
「相続・空き家セミナー」は地方住民に最も刺さります。
- 自治会長
- 民生委員
- 地域包括支援センター
を味方にできれば、ほぼ毎月の相談会に呼ばれます。
■⑤ 信頼構築(リピート・紹介を最大化)
1. 初回相談を“説明しすぎない”
法律家ほど「説明しすぎて」失注します。
専門性を出しつつ、あえて“全部は説明しない”ことがポイント。
2. 相談者には「手書きレター」を必ず送る
効果は驚くほど高いです。
- 相談のお礼
- 手続きの進め方
- 今後のスケジュール
高齢者ほど感動し、紹介につながります。
3. 事例の蓄積と見える化
- HPに「実際の事例」を掲載
- 匿名加工した相談ストーリー
- 空き家活用のビフォーアフター
市民は「専門性」より「実績」を見ています。
司法書士の将来性と期待される役割
成年後見や相続分野での活躍
高齢化社会の進行により、財産管理や成年後見、遺言作成などの需要は今後さらに高まると考えられます。これらの分野に精通していることは大きな武器となります。
中小企業の法務支援
中小企業において、法律相談や契約書作成、登記のサポートなど司法書士の関わる範囲は多岐にわたります。法人のサポートを得意分野とすることも、将来の安定した収入に繋がります。
新しい働き方の模索
オンライン相談、web契約、電子申請などを活用し、時間や場所にとらわれない働き方を模索することで、より多くの依頼者に対応できる可能性が広がります。
失敗しないための準備と注意点
それでは独立をする前に注意しておきたい点を紹介します。事前にしっかりと確認し、対策を考えると良いでしょう。
資金計画と経営管理の重要性
開業には資金が必要です。事務所設立費用、広告費、人件費、生活費などを含めた具体的な資金計画を立て、収入が安定するまでの数年を乗り切る準備が必要です。
顧客対応力とコミュニケーション能力
士業であっても、サービス業としての意識は欠かせません。依頼者の話を丁寧に聞き、信頼関係を構築することが、次の依頼や紹介に繋がります。
法人化や業務拡大の検討
案件が増えてきたら法人化を検討し、他の司法書士や事務スタッフを採用することで、さらに大きな案件に対応できる体制を整えることも重要です。
統計から見る司法書士のその他の現状と課題
司法書士の「就職率」や「年収」については、他の士業と比べて上下の幅が大きく、成功と失敗の差が顕著です。平均年収は約600万円前後とも言われていますが、独立直後は200万〜300万円台にとどまるケースも多く、初期の報酬は決して高くありません。そのため、廃業に追い込まれる人が一定数いるのも事実です。
最近では「司法書士の求人が少ない」「求人倍率が低い」といった声も聞かれ、司法書士試験の難関さとは裏腹に、資格取得後の安定性に不安を感じる人も増えています。
しかしながら、訴訟支援、遺言執行、請求書関連の業務、企業法務や事業継承といった分野では高いスキルを持つ司法書士が重宝されており、スキルや専門性を磨けば高収入も可能です。
働き方についても、個人事務所から法人化まで多様な型があり、年齢や経験によって選べる幅も広がります。資料請求や無料相談、認定講習の受講などを活用し、自分に合った進路を明確にすることが求められます。
また、毎年合格者が一定数いる一方で、実務能力や営業スキルを十分に積んでいないまま独立するケースも多く、「なぜ仕事がないのかわからない」と悩む人もいます。
これは「現場感覚」や「実績」の不足、さらには検索対策やSNSなどの活用不足が背景にあることも多く、個人としてできる対策を積極的に行い、環境に合わせた柔軟な対応が重要です。
まとめ
以上のように、司法書士として独立し、仕事がないと感じる背景には「営業力不足」「人脈の欠如」「業務内容の偏り」などさまざまな理由があります。しかし、自分の強みを活かし、ニーズに合ったサービスを提供することで活躍の場は必ず見つかります。
司法書士の将来性は決して低くありません。社会の変化に適応し、新しい分野に挑戦し続けることが、成功への鍵となるでしょう。
このサイトでは、他にもSEO対策やWebからの集客に関連するさまざまな情報を発信しています。気になる内容がありましたら、ぜひ合わせてご覧くださいませ。

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。










ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません