相続に関する業務で効果的に集客を行うポイントを解説します

2024年4月24日

相続を扱う仕事の多くは、弁護士や司法書士など「士業」と呼ばれる職業の方たちです。

そもそも営業を苦手とされる方も多い中で、相続に関連する問題というのは相手が個人のお客様になりますのでそれを踏まえて集客を行わなければなりません。そこで今回の記事では、「相続」業務で新規の顧客を獲得するための集客に必要なポイントやその方法について解説します。

遺産相続

相続での集客は個人のお客様であることを理解することが必要

法的なサービスには企業を相手にした業務と個人を相手にした業務があり、これまでBtoBビジネスを中心に仕事をされていた先生にとっては、独立・開業のような個人に向けて集客を行う際、企業への対応との違いに注意し、顧客に対する理解を高めなければなりません。

一人ひとりの感情や考え方に寄り添うサービス

企業相手のビジネスの場合、顧問としてどちらかというと上の立場で仕事をされていることが多いかと思いますが、相続のように個人を相手にする場合にはそのスタンスを大きく変える必要があります。

個人の場合、感情に動かされることが多く、個々の考えていることも異なります。特に今はSNSや口コミサイトで評価を誰でも書き込める時代。1人の対応でこれからの集客に大きな障害をもたらす可能性もあるのです。

「サービス業」であることを意識し、一人ひとりのお客様、一つ一つの案件が事務所の信頼や集客に大きく影響するということを肝に銘じることが大切です。

個人客は相続の相談先を探している

一般的に「相続」について誰に相談したら良いのかを明確にわかる人は少なく、とりあえず弁護士に相談すればいいのかな?という程度の認識であることを理解しておくことは、集客をどのように展開していくかを考える上で大きなポイントです。

そもそも、相続が発生した人は誰に相談するのがベストなのか分かりません。ホームページに「相続無料相談いたします」と言うようなページを作っただけでは相続の相談はほとんど入りません。

相続の相談を誰に行えば良いのか、相談をしたい人の状況に応じて弁護士なのか、司法書士なのか、税理士なのか、行政書士なのか、市役所なのかについての情報を掲載する必要があります。

また、相続に関しては同じ士業だけでなく不動産会社や金融機関も大きなライバルであり、むしろ一般的にはそちらにまず最初は相談しようとする人の方が多い傾向にあります。不動産業者や金融機関は相続の専門家では無いので、相続の専門家だと分かる情報を出来るだけ悩みを持っている人に知ってもらうことが大切です。

そのため、「相続のことならまずここに相談しよう」と思わせることが重要となってきます。

相続業務の住み分け

相続業務の中で自分たちが強みとしてアピールするものを絞るためにも、まずはそれぞれがどの分野を担当しているのかを知っておきましょう。

・弁護士

相続問題で弁護士が担当するものは、主に相続人や遺産分割に関する協議、調停の代理人、遺言書の作成、検認、執行、相続放棄の申し述べ、遺留分減殺請求手続き等がありますが、実際に弁護士が担当する範囲というのはかなり広く、中でも相続争いがこじれている場合には弁護士に相談を希望するケースが多いです。

・司法書士

相続問題で司法書士が担当するものは、主に遺言書の作成、検認、執行、不動産の相続登記、抵当権抹消登記、銀行や証券など財産の承継に関する手続き、相続放棄の手続き等があります。

司法書士の中でも、相続に積極的に取り組む事務所とそうで無い事務所があります。相続に詳しくない司法書士に依頼してしまうと、問題の解決がスムーズに進まない可能性があるので、相続が得意であることを打ち出すことが重要です。

一般的に「登記=司法書士」とイメージされることが多いでしょう。

・税理士

相続問題で税理士が担当するものは、主に相続税の相談、申告、生前贈与に関する相談を取り扱っています。「税」に関係することであればやはり税理士に相談したいと考える人が多いのですし、税理士にとってもここは絶対に他の士業には譲りたくない分野でもあるでしょう。しかし実は非常に競合が多い分野でもあるので、ここを狙う場合にはしっかりと集客の戦略を練る必要があります。

税理士の中には、相続税に詳しくない事務所もあります。相続税に詳しい税理士と詳しくない税理士では納める税金が大きく違うことも起こり得ます。ホームページなど掲載する内容に相続税に強いことを記載することはとても重要です。

・行政書士

相続問題で行政書士が担当するものは、主に遺言書の作成、執行、遺産分割協議書の作成、名義変更の手続き、相続関係図、遺産目録の作成、相続人の調査などがあります。

行政書士は一般の人にとって他の士業と比べて身近な存在かと思いますが、業務の範囲が限られているため、ビジネスを行う上で他の士業と連携することが重要となってきます。

・銀行

銀行などの金融機関は遺産相続に関して窓口となるケースが多く、内容によっては提携している弁護士や税理士などの士業にお願いします。

このように相続に関してコンサルティング的な役割があるため、お客様がまず相談先として選ぶのはご自身のメインバンクとなる傾向が高いですが、最近はネットバンキングの利用が進んでいるので、銀行との関りも薄くなっているので、ホームページなどで、ご自身のサービスがどのような相談に適切なのかを記載することでお問合せを獲得できる可能性が高くなります。

相続で集客で注力したいポイント

以上のように、相続の相談先というのは個々のお客様の相続に関する知識や持っているイメージによって左右されますが、多くの場合銀行や大手の弁護士に流れてしまいます。

そこで集客を行うにはどこに注力するべきか、いくつかのポイントを紹介します。

地域住民へアピールすること

競合の多い相続という分野ですから、事業所や事務所の拠点となっているエリアにターゲットを絞り、「この地域で相続の相談をするならここが一番!」と思ってもらえるようアピールしていきましょう。

そのためにSEOが重要となってきます。

現在は何でもインターネットで調べる時代です。相続の相談先を探す時にも多くの人がまずネットで検索をして選びます。

そこで適切なSEOを実施し、「地域名+相続」「地域名+相続問題」等といったキーワードで検索をした時に事務所のホームページが上位表示されることでページへのアクセスを増やし、問合せや依頼といったアクションにつながるのです。

また、お客様の不安や悩みに対し事例などを用いてブログやコラム等を使って専門家による説明や具体的な手段の提案を行ってみると、SEOになると同時に「この先生に相談すれば解決してくれそうだ」と感じさせ問合せがアップするメリットも期待できます。

ホームページに明確なキーワードに対するコンテンツを作成する

落とし穴

相続で集客するには、SEOが重要です。効果的に検索エンジンから集客するには、相続が発生している人が明確に悩んでいる問題に対する回答を掲載することがとても有効です。例えば「相続放棄 空き家」で検索している人は、空き家だけ相続放棄したいと思ってその方法が無いか検索してるか、空き家を含めて相続放棄すると、空き家の管理は誰がするのかを調べています。また、「公正証書遺言 納得いかない」は公正証書遺言に書かれている内容に納得が行かず、無効に出来ないかを検索しています。さらに「遺産分割協議 相続人以外」は遺産分割協議に相続人の配偶者などが口出しして来て困っている人です。「相続 保証人」は被相続人が連帯保証している保証債務があり、相続した場合、その保証債務はどうなるのかを知りたい人です。

このような相続で困っている具体的な状況に応じて解決策や解決出来なくても出来うる手段について詳しく説明したコンテンツを掲載すると、悩みを持っているユーザーが解決を求めて相談します。

「相続 地域名」で検索しているユーザーはあまり切実な問題がある訳ではないので、検索結果の上位に表示されても、相談に結び付く可能性はあまり高くありませんが、上記のような具体的な問題に直面しているユーザーはお問合せのアクションを起こす可能性が非常に高いので、案件を受任した中で具体的に相続人が悩んでいることをキーワードにしてコンテンツを掲載することはとても有効な集客手段なのです。

相続の専門家として、相続手続きの詳細を掲載しても、ユーザーはその情報を知りたいのでは無く、直面している問題を解決してくれる専門家を探しているので、手続きの詳細は検索意図に合っていないので、検索結果の上位には表示されません。

具体的な問題に対する解決方法を詳細に掲載することで、この専門家に依頼すれば、自分が直面している問題を解決してくれると感じて相談するのです。

逆に、検索して、自分の疑問の回答を探しているユーザーにとって、ホームページに掲載してある情報が自分の疑問の回答として嚙み合わないと、この専門家に相談しても、適切な回答が得られないと感じてしまいますので、ユーザーの疑問に対する適切な情報の掲載はとても重要です。

相続の相談の中で、それぞれの相談者が真っ先に質問する内容に対する回答はホームページに掲載すると良いでしょう。

「相続 地域名」や「相続 相談 地域名」で検索結果の上位を獲得することは勿論ですが、その他にも具体的な課題に対する情報の掲載も行って集客することはお問合せに繋がる有効な手法です。

お客様の声の掲載は必須

お客様の声

お客様の声はとても良質なコンテンツです。どれだけユーザーの問題の解決に繋がる情報を掲載していても、利用したユーザーが「良かった」と言う声が寄せられていないホームページは検索結果の上位に表示することは難しくなります。

相続は家族の内部の深い所まで踏み込んで仕事をするので、依頼者ともかなり濃厚なコミュニケーションをすると思いますので、良い結果になれば、すごく喜んでいただけるはずです。そのようなお客様の声をだきるだけ多く集めて、お客様の声の記載を画像としてアップロードするだけでは無く、テキストとして打ち直して掲載することが重要です。

テキストとしてお客様の声を掲載することによって、Googleもそのサイトがお客様から支持されていると認識します。

他の士業と連携しセミナーや無料相談会を開催する

先にお伝えした通り、相続は各士業によって取り扱っている範囲が異なります。

しかしそれぞれの問題に対し複数の事務所に相談しなくてはならないとなると、依頼者側としては非常に面倒に感じるもの。

そこで他の士業の先生と一緒に相続に関するセミナーや無料の相談会を実施することも新規開拓にはおすすめの方法です。

参加者を集めることが大変ではありますが、そもそもそのような場所に来る人というのは具体的に悩んでいる方が多く受任率が高くなりますし、対面ですので人間性をアピールすることで親しみやすく信頼性を高める効果が期待できます。

ただ、セミナーに参加するユーザーはホームページを検索しているユーザーに比べて解決したい問題に直面している度合いは低く、すぐに受任できるユーザーに出会える可能性は低く、どちらかと言うと潜在顧客だと認識しておくのが良いでしょう。

すぐに受任できる即効性よりも、地域に相続の専門家だと言うイメージを定着させるものと考えておいた方が良いと思います。

SNSや動画コンテンツの活用

最近は集客を目的としてTwitter、Instagram、Facebook等のSNSやYoutube等の動画コンテンツを制作して情報を発信するという手法を取り入れている事務所や先生が増えてきています。

相続は依頼者の深い関係まで入り込むこともあるので、依頼する専門家の人柄も依頼する上では重要な要素になります。普段の生活で普通の人だと感じさせる情報や、動画で高い専門性を伝えると同時に、相談し易い優しい人柄を感じさせる情報発信が重要です。

拡散力が強くホームページへの誘導を行い認知を広めたり、見込み客とコメントやDMで気軽に質問の回答などコミュニケーションが取れることで依頼へのハードルを下げ、価値のある情報を提供することで信頼性を高めることも可能です。

Webマーケティング

上記でお伝えしたSEOもWebマーケティングの1つですが、やはり相続の集客のためにはマーケティング活動を行うことも必要となっていきます。

ホームページ等のWebサイトを運営する目的として売上の実績を得ることがあると思いますが、そのためにはSEOやSNS、広告などを使っての集客は必須と言えます。

ちなみに自分たちのページを上位に表示させるリスティング広告は、費用ををかけることで即効性はありますが、広告料がかかり続けることや最近は広告を嫌うユーザーも多いため思ったよりも効果は低い結果になりやすく、できればSEOで上位表示を目指す方が長期的に見ておすすめです。

相続は報酬もそれなりに高いので、広告で集客するのも一つの方法として選択するのも良いと思いますが、キーワードの選定を厳密に行わないと、クリックだけが増えて費用が掛かる割にお問合せが獲得出来ないことになるので、キーワード選定も含めて専門家に相談するのが良いでしょう。

相続のWeb集客なら専門会社に相談を

相続を扱う業界の皆様にとって、忙しい本業の傍ら広告やマーケティング、コンテンツの作成といった集客に時間を費やすことは現実的に難しいでしょう。

また、集客に必須となるSEOは誰でも簡単に成功するわけではなく、専門的な知識とノウハウが必要となるため、時間と労力をかけても失敗してしまう可能性もあります。

SEO専門会社である弊社では、丁寧なヒアリングの上でアクセスしてほしいターゲットを絞りこみ、ニーズを把握して、一般的に思い付くキーワードよりも具体的で解決したい問題が明確なユーザーの方がコンバージョンに繋がり易いので、ユーザーが切迫している切実なキーワードを抽出して、効果的なSEOを提案、実施しアクセス数を増やすよう最大限のサポートを行います。

相続の集客に悩まれている皆様からも、お気軽にご相談いただければ幸いです。