制作会社のミスで検索順位が上がらなかった実例

2023年11月24日

高額なホームページ制作会社に依頼すればアクセスがあると思うのは大間違い

ホームページ制作会社に依頼すれば期待したアクセスが得られると思っている企業も多いと思います。また、低価格のホームページ制作会社よりも高額な制作会社に依頼した方が検索順位が上がってアクセスがあると思っている企業の皆様。その考えは間違っています。

これまで、とても多くのサイトのSEOを行って来て、実際に検索順位を上げ、アクセスの改善を実績として残して来ました。これまでの経験の中で実際にあった制作会社のミスや勘違いの実例を紹介いたしますホームページ制作を依頼される時の参考になれば幸いです。

半面教師として、このページに記載しているようなことをしなければサイトに掲載している情報は適切にGoogleに評価されます。検索上位の第一歩はGoogleから評価を落とすネガティブな要因を排除して、掲載しているコンテンツの力に見合った順位を獲得することから始まります。

コンテンツ本来の順位を獲得出来ないサイトをどれだけ最適化しても検索結果は上がりません。ネガティブ要因を改善に取り除いて、その上でユーザーにとって有益な情報の掲載が必要です。

ホームページが自然検索からの流入がほとんど無いと広告によって集客するしか無く、コンバージョン単価が数万円になった場合、それでも元が取れる大きな売上総利益か、リピート率の高い商材でないと成り立ちません。そのため、自然検索で集客できるホームページにすることは、WEBマーケティングにおいてもとても重要なことなのです。

検索エンジンの登録を拒否したまま納品されていた

これはとても初歩的なミスですが、クライアントからは全く検索エンジンからの流入が無いと相談を受けました。全くアクセスが無いと言われた場合には「site:Your-domain.com」(Your-domain.comは実際のドメイン)で検索して、Googleにそのサイトがインデックスされているかを確認しますが、全くページが表示されません。

次に、ブラウザで右クリックして「ページのソースを表示」でrobots metaタグを確認してみると、<meta name="robots" content="noindex">となっていました。この記載はGoogleのインデックスを拒否する設定で、この状態ではクローラーが巡回してもデータベースに格納しないので、検索結果に表示されることはありません。

極めて初歩的なミスでしたが、クライアントは制作会社に対してアクセスが無いことを相談していましたが、noindexに気付かなかったようでした。

クライアントさんは損害賠償ものだと憤っていらっしゃいました。

blogのタイトルが個別ページのタイトルにならず「blog」になっていた

制作会社からWordPressで作成されたホームページが納品されて、制作会社からブログを更新して常に情報を発信することが重要だと言われて、毎日当番を決めてブログの更新を続けていても一向にアクセスが増えないとの相談を受けました。

実際にブログを確認すると、毎日、専門性の高い良質なコンテンツを継続して公開されていて、ホームページからの集客を真剣に考えている企業だとすぐに分かりました。blogを確認して見ると、titleが個別の記事のtitleになっておらず全てのブログのタイトルが「blog」と記載されていました。

titleタグはSEOでも重要なタグで「blog」と記載されていると、「blog」のキーワードでしかヒットせず、タイトルに書かれている集客に有効なキーワードが全く機能しない状態でユーザーの検索キーワードでは上位表示することが出来ないものでした。

ホームページ制作会社の制作実績にもSEOを行ったと書いてあったのに、こんな状態で、全く適切なSEOが行われているとは言えない状態でした。

この問題に対して、クライアントと制作会社の話し合いに同席して欲しいと言われ同席しましたが、本来なら損害賠償の訴訟を起こしても良い内容だと思うけれど、非生産的なことに時間とお金を使うのも双方にとって無駄なことだと、矛を収められました。

せっかく記載しているblogが全く集客に貢献しない状態を何年も続けて来たことをとてもショックに感じておられました。WordPressの場合、投稿ページに記載しているタイトルがソースにも表示されているのかを把握することは重要なポイントです。

h1タグを非表示にする隠しテキスト

h1タグはページの大見出しで、titleタグに次いで重要なタグでSEO上重要な要素です。普通はページの最上部にテキストで表示されます。しかし、webデザイナーにとっては、ファーストビューは美しい画像を表示したいと考える方もいらっしゃって、h1タグが邪魔になるのでしょう。

SEOの依頼を受ける場合は必ずh1タグがどうなっているか確認します。ブラウザで右クリックして「ページのソースを表示」にしてh1タグがどんなテキストになっているかを確認し、ブラウザにも表示されているか確認します。

しかし、ソースにあるh1タグがブラウザには表示されていません。隠しテキストはGoogleのウェブマスター向けガイドラインでも明確に禁止されているスパム行為です。ガイドライン違反を行っているサイトが検索順位を上げることは困難です。

クライアントさんから制作会社に隠しテキストの修正を依頼しましたが、制作会社では何が問題なのか分からないとの回答で、Googleのガイドラインなど全く知らないようでした。こちらから何が問題なのか詳しく説明して対応してもらいました。

隠しテキストは明らかなガイドライン違反なので、このままの状態を放置していれば、検索順位は上がらず、ホームページを公開していても成果が上がらない結果になるものでした。

クライアントさんは、このような問題は納品された企業側では分からないことで、専門家に見てもらって良かったと言われました。また、制作会社はデザインだけ重視でアクセスを獲得しようとする意識がとても低いと感じておられました。

ホームページは企業にとっては重要な営業ツールで、ホームページを使ってより多くのユーザーに自社の商品やサービスを知ってもらいお問合せや注文を獲得したいと考えているのですが、制作会社は自分達が満足するデザインにすることを優先して作業し、Googleのガイドラインについて詳しく調べることもせず、納品後にGoogleからペナルティを受ける可能性も全く知らず、アクセスがあろうが無かろうが全く感知しないと言うスタンスの制作会社はとても多いです。

h1タグを全ページ共通にしてしまう

h1タグは先の項目でも記載した通りページの大見出しです。ページの大見出しなのでページ個別の大見出しにするのが自然な記載です。

しかし、これを全ページ共通にしてしまう制作会社もかなり多いです。ほとんどの制作会社は何の疑いも無くヘッダーロゴにh1タグを付与しています。

h1タグをヘッダーロゴのalt属性(代替テキスト)として記載する手法です。代替テキストは画像が表示されない時や読み上げブラウザで画像を説明するテキストでブラウザには表示されません。ブラウザに表示されないので、納品された企業も不自然と感じないのですが、実際に本に例えるとページをめくる度に同じ大見出しが記載されていたら誰でもおかしいと思うはずで、文法的にもおかしい記述です。

しかし、ヘッダーロゴのaltにすることでテキストを表示しなくすることで閲覧しても不自然に感じさせないようにしているのです。h1タグがデザインに影響しないのでデザイナーとしては、採用しやすくどの制作会社でも安易に採用される手法です。

大見出し(h1)が個別のページを端的に表した記載にならないと、SEO上もデメリットになります。ページに記載されている内容をGoogleに正確に伝えられなくなります。ページの重要な大見出しが全ページ共通になってしまうと、個別のページが適切に評価されなくなって個別のページを適切なキーワードで上位に上げることが出来なくなります。

さらにaltに記載されているテキストはブラウザに表示されるテキストよりもSEOの効果が弱くなります。納品先の企業のwebマーケティングに少しでも貢献しようと思ってホームページ制作を行っていれば、全ページ同じh1タグにするなど有り得ないことです。

また、共通テンプレートをGoogleはメインコンテンツとみなさないので、SEO評価に影響しないと言われているので、ヘッダーロゴに付与されたh1タグはほとんど効果が無い可能性があります。つまりテンプレートに記載されていのh1とメインコンテンツに記載されているh1とではその効果が大幅に違う可能性があると言うことなのです。

h1タグ内にstrongタグが記載されていた

h1タグは大見出しでとても強いタグですが、このタグにさらに強調するstrongタグを記載すると、過剰SEOになります。strongタグはGoogleに対してと言うよりも、閲覧者に対して強調していることを伝えるタグなのですが、h1タグ内にstrongタグを記載してもブラウザでは強調が表現されませんので、h1タグ内に記載されているstrongタグはGoogleのランキングを操作する目的で記載されたと認識されてしまいます。

この記載は下手をするとGoogleからペナルティを受ける可能性があるので避けた方が良い記載です。制作会社はh1にstrongタグを記載することで、strongタグで囲ったキーワードで上位表示が可能になると思っていたたようでしたが、納品先の企業からは全くお問合せが無いと言っていました。

Googleのウェブマスター向けガイドラインでも、「検索エンジンが無くても同じことをするかどうか」を確認するようにと記載されています。強調タグを使う場合はユーザーのために選定したタグなのかGoogleの評価を上げるために選んだタグなのかを考えて、ユーザーのためで無い場合は、そのタグを利用しないようにすることが重要です。

タイトルに同じキーワードを3つ以上使用していた

タイトルタグの重要性は下がって来ていますが、それでも最もSEOに影響するタグであることは変わりありません。タイトルの文字数は30~60文字程度で記載することが普通ですが、この少ない文字数の中で、同じキーワードが3回以上も記載されていると、キーワードの乱用と判断されて評価が落とされる可能性があります。

制作会社はタイトルタグにキーワードをたくさん盛り込めば検索順位を上げることが出来ると考えていたようですが、これは逆効果です。

画像だけのページをインデックスさせていた

これはWordPressのAll in One SEOの設定の問題なのですが、設定で「メディア・添付ファイル」をnoindexに設定しないと、全くテキストの無い画像だけのページがインデックスされます。

画像だけでテキストの無いページはユーザーの疑問や質問に対する回答には全くならない低品質なページです。このようなページを大量にインデックスさせてしまうと、サイト全体が低品質なサイトと評価されてサイト全体の検索順位が低下しまい、上位表示は困難になります。

これもAll in One SEOをインストールしておけばSEOに有利だろうと言うくらいの認識でインストールだけされていて設定を全く行っていないことで起こった問題でした。

自動生成された大量の重複コンテンツを吐き出していた

独自のCMSでホームページ制作されていた案件で、CMSが吐き出す自動生成されたページが大量(約6000ページ)の重複コンテンツとSearch consoleに表示されていました。

重複コンテンツでペナルティを受けることはありませんが、Googleからの評価は確実に低下します。本は同じ内容の物が大量に印刷されて本屋に並びますが、ホームページは1つの情報に大量のアクセスがあってもユーザーはその情報を見ることが出来るので、重複コンテンツはweb上には必要の無いものなのです。

この制作会社は独自のCMSで様々な企業にホームページを納品していますが、私が指摘するまで、重複ページの問題を認識していませんでした。

クライアント企業さんは、コンテンツページを作って多くのアクセスを獲得とようと思っていた矢先に問題が発覚して、がっかりされていました。

ほとんど同じ内容のサイトを複数のドメインで公開していた

web上には同じ内容のコンテンツを複数公開する意味はありません。何故なら、1つのページに大量のアクセスがあってもサーバーの処理能力の範囲内であればどれだけでも見ることが出来ます。同じ内容のサイトを分散して公開しても最初に公開されたオリジナルコンテンツ以外は重複コンテンツと評価されて検索結果には表示されません。

クライアントからも依頼があったので作成したのだと思いますが、このような相談があっても無駄だとアドバイスすべきで、制作会社はこのほとんど同じ内容のサイトの制作費を受け取っているわけですから、自分の儲けだけを考えていると言わざるを得ません。

系列企業のサイトをテンプレートからリンクしていた

系列企業のサイトにリンクすることは普通にあることですが、外部のサイトからのリンクは人気投票のように評価してリンク先のホームページのランキングを押し上げる強いアルゴリズムがあります。

系列企業のサイドバーやフッターからリンクすると、サイトの全てのページからリンクが設置され、Googleはランキングを操作する目的の組織票と判断してペナルティを課します。

系列企業がサブドメインで運営されている場合はテンプレートからのリンクがあっても内部リンクと同様に扱われるので問題ありませんが、別ドメインの場合は重大な悪影響が出る可能性があります。

制作会社はリンクの怖さを知らないので、クライアントから言われれば何の疑いも無くリンクを設置してしまいます。

競合サイトよりも上位に表示するためには、地道な努力が必要です。姑息な手段で上位表示が可能なほどGoogleは甘くはありません。

このリンクが原因で全くアクセスが増えないサイトを非常に多く見て来ました。

SEOと称して大量の被リンクを設置していた

リンク

ホームページ制作会社がSEOと称して大量の被リンクを設置していてGoogleからペナルティを受けていた事例もありました。制作会社がSEOとしてクライアント企業から毎月報酬を受けていましたが、実態は、低品質なリンクを設置するだけでした。

報酬を支払って被リンクを設置することは、ランキングをお金で買うことになるので、重大なガイドライン違反です。被リンクを設置するだけでSEOが出来ればとても簡単なことです。制作会社はとても手軽な方法でSEOが出来ると思っていたのでしょう。

しかし、実際に上位に表示出来たキーワード超スモールキーワードであまりアクセスを集めることが出来ないキーワードのみでした。

有料リンクなどの不自然なリンクは重大なペーナルティが課せられることがあり、リンクを削除したり否認を行っても正常な状態に戻るまでにとても長い時間を要します。

ホームページ制作会社が行うSEOはこのような手軽でGoogleからペナルティを受けるような被リンクの設置だけと言う事例は多いです。制作会社がSEOを行う場合には具体的にどんな施策を行うのか必ず確認しましょう。

本当のSEOはユーザーにとって価値ある情報を掲載し続けて、サイト全体の価値を高めることです。

まとめ

ホームページ制作会社の初歩的なミスや意図的にデザインを優先してwebマーケティングを犠牲にしている事例をご紹介しました。

初歩的なミスやチェック漏れはともかく、デザインを優先してweb集客を犠牲にするような方法は絶対に受け入れることは出来ません。そのようなホームページを作る業者には依頼すべきではありません。

ホームページの作成を依頼する企業はwebマーケティングの専門家では無いので、納品されたホームページが美しいデザインで納品されれば検収されて代金を支払うことになると思いますが、納品されたホームページの運用を継続して行けばアクセスを増やして、コンバージョンが得られるホームページなのかは疑って見る必要があります。

建物はハウスメーカーに全て任せて施行してもらうこともありますが、一級建築士に設計を頼んで、監理も建築士に依頼して設計通りに建築されるかを監理してもらうこともあります。

一級建築士に設計・監理をしてもらえば、建築業者の手抜き工事は発生しません。また、設計がしっかりしていて、監理もされていれば欠陥住宅を引き渡されることはありません。

ホームページ制作もSEOの専門家を活用して、ガイドライ違反の無い素性の良いホームページが納品されるようにガイドラインの違反箇所を指摘して変更したホームページを納品するようにすれば基礎のしっかりした将来成功するホームページになると思います。

ホームページ制作会社がGoogleのガイドラインや仕組みを全く知らず、アクセスに悪影響のあるホームページを作成してしまうのは、発注企業にとっては大きな問題です。これは、ハウスメーカーが建築基準法を知らずに建物を建てているのと同じです。特に制作費が高ければ高い程、Googleのガイドラインを遵守すると言う基本中の基本は守って正しいホームページを作成してもらいたいと思います。

ホームページ制作会社が言っているSEOは片手間のSEOで実際にアクセスを大幅に順位を上げるような改善をした実績はほとんど無いのではないかと個人的には思っています。(あくまでもこれまで見て来たサイトで感じている主観です)ホームページ制作会社がSEOを行うと言うのであれば、具体的にアクセスを大きく改善した実績を見せてもらうことです。特定のキーワードの順位の上昇では無く、サイト全体のアクセス向上の実績を複数(多数)示せるのであれば問題無いでしょう。

ホームページ制作会社はデザインやコーディングについては詳しいですが、SEOやwebマーケティングには全く無頓着なことが多いです。ホームページ制作を行う企業はお客様がホームページを開設してどんな効果を期待しているのかを忘れずマーケティングの視点に立ってホームページ制作をして欲しいと思います。

webサイトの発注を行う際には、Googleのウェブマスター向けガイドラインを熟知しているか、アクセスが落ちるような施策は何なのかを理解しているかを確認してから発注しましょう。